●土壌の物理性改善 土の団粒構造と有機質肥料について |
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良好な土壌環境では土と空気と水はそれぞれ50%:25%:25%(土壌の三相分布)の割合で構成されています。植物にとって良好な土壌条件とはつねに適当な水分と空気が土壌に存在することです。 |
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このような環境条件を人為的につくることは、簡単にはできません。ではどのようにすれば実現させることが出来るのでしょうか。それには有機物を多く含む肥料と、それを利用する微生物の働きで土が団粒構造に変化していきます。 |
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微生物の働きにより細かい土壌の粒子を集めて団粒をつくり、その中に水をたくわえ、団粒と団粒の間の大きな空間には十分な空気をたくわえます。植物がより良く成長するには、人為的にこのような環境をつくってやる必要があります。有機質肥料の必要性は、このような理由によります。
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化学肥料ばかりに頼り、土壌に有機物が不足していきますと土壌中の微生物は減少し、土の構造も単粒構造になっていきます。土壌中の有機物は微生物により分解されアンモニアから硝酸(無機質)へと分解され植物の根から吸収されます。生物(有機物)の遺体から成り立っている有機質肥料には植物が必要とする養分がバランスよく含まれており、化学肥料には求められない多様があります。 |
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●微生物が土を変える 微生物による土壌環境の維持について |
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土中に施肥された有機物は、最初ミミズなどの小動物によって細かく砕かれ消化され、糞として排泄されます。この糞は、微生物のエサとなります。また土中の小動物がエサを求めて動き回ることにより、土が耕されることになるのです。ヨーロッパにおいては、牧草地の土中にいるミミズの重さと同じ重さの牛が飼えると言われるほどの意味をもちます。 |
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土壌中にたくさんの種類の微生物が存在すると、有機物の分解が良好に促進されます。つねに微生物同士が足のひっぱり合いをして、これが病気や虫害の大発生をおさえています。これとは逆に、微生物の種類が単純な土壌では、なにかのきっかけで有害な微生物が増殖しはじめても、それに敵対する微生物がいないので、害が急速に広がってしまいます。 |
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